孔雀傘/
奥津 強
ああ 晴れてきた
孔雀の 模倣である 傘よ
折れろ 私の手を 打て
私の手は 姦淫を 弔う
決して 汚れない
孔雀は 空を 飛ぶ
がぁがぁ 鳴いては
暗い 谷間などなく
眼前には 傘の 死骸が
転がっていた
私の 眼前から
白い 女が とぼとぼ と歩く
日差しが 打つ
私を
暗いのに
暗いはずではないのか
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