スポンジ/肉食のすずめ
 

太い腹部ささやかな風枝を揺らす
揺れる卵を産み付ける虫が卵を
枝に括りつける枝が倒れそう落ち
倒れ落ちそう虫倒れ落ちそう虫落ち
虫 虫 虫 虫 虫 虫 虫 落ちた
落ちて
動かなくなった

落ちなかった

何故
そんな遠くにあるものが

私は近眼なのに

隣に座った
ひげ面のでぶ
帰ろうとして
金を要求する
相場がいくらなのかも
忘れてしまった

白いスポンジの遥かに
悲願の枝が刺さっている
とりあえず繋がった糸の先を
見ようと目を凝らす

私の襟をつかむ
ひげ面のでぶ
唾を飛ばしてわめき散らす
声が高いよ
糸が見えない

なんでここにいるのか
思い出すじゃないか

枝が刺さった場所を
忘れてしまうじゃないか






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