星屑を運ぶ風/松本 卓也
一筋の風が
窓の外通り過ぎる
何を乗せて行くの?
寂しさに零した涙も
打ちのめされた思いも
安らかな夢も
小さな光も
きっと
乗せようとすれば
乗せて行ってくれる
風が夜空に昇って
星屑を撒いて散り
幾つかのマイナスを昨日に
幾つかのプラスを明日に
拭えない悲しみは心に
大切な記憶を胸に
生きていく術を君に
暖かい眠りを僕等に
風が通り過ぎる
たくさんの今日を乗せて
時には失望を
時には希望を
星屑が降り注ぐ先で
拾い上げるものが
幸せでありますように
微笑みでありますように
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