クラスメイツ・ブギ/ブルース瀬戸内
 
誰かがウソをついています。

誰かが給食費を強奪したのです。
ちょうど意味が言葉に強奪されるように、
ちょうど言葉が解釈に強奪されるように、
給食費という、
私の管理下にあるものを強奪したのです。

私は管理責任を問われます。

ちょうど意味が
言葉の奔放ぶりに呆れて放浪するように、
ちょうど言葉が
解釈の幻想に吸引されるように、
担任であるということの義務が
横溢した教室に拘束されます。

最後に、最後に、
もう一度だけ聞きます。
みんなの良心に訴えかけます。
では、目をつぶって。

給食費を盗んだ人、正直に手を挙げて。


だから、どうして、全員、手を挙げるかなあ?

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