木枯らしとトモダチ/ヨルノテガム
冬の太陽が 目を差す
背の高い木々の間から
何度も何度も光の手足を伸ばしてくる
子供の影法師が10メートルもあるよ
木々が寒い風を運んでくる
口の中に冷たい綿菓子がすべり込んでくるよ
キミがまだ半ズボンをはいているなんて驚いちゃうね
大人はみんな 鉄の移動物に閉じこもっているけどね
老人が走る 鉄の箱型移動物に乗るために
子供が集まる 寒い―って言っていれば温かくなるのが不思議
宣伝の旗がパタパタと風を切る
どうして旗ばかり いじめるんだろう
草木が色を失っていくのは
移動物が走り去って後に ひどく冷たい竜巻を
起こしていくのは
おしゃれスカートを 仕方なくズボンに
させてしまうのは
トモダチの仕業
太陽が目に差しこんでくる季節の
ほら こちらを指差してる
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