REAL GHOST(晴れた幽霊)/大村 浩一
 
い)



誰にも
こないでほしい
みたいなことを手紙には
書いて

すべては あっちに
うっちゃってきた

(IDも
 口座も消した
 これで黙ればぼくは
 居ないもおなじ)



昨夜はね
誰も居ない台所で
幽霊のたてる物音を
きいていた


(パキーン)
(がたがたがたがた)
そんな
ぎそう
ぎたい(そう、)
ぼくが生きてるふりをするために
そんなことしてやる理由は
ひとつもないんだけど

(かまえると
 つかれるよ
 きみ)


けさは
かるい

い た み も



ぼくは
ほろびる
ぼくにいたる
千の言葉も
やがて
いつか


めざめることができた
自分を
けさは抱きしめて



初稿 2001/07/03
改稿 2004/03/29

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