都会のベンチ/
ぽえむ君
電柱と同じように
等間隔に植えられた木々の公園
朽ちた木材のベンチだけが
元来の自然を人々に示す
誰も座れなくなったベンチは
誰も迎えることができず
ただ一人で
日向ぼっこを楽しむ
唯一の贅沢
西日は当たらない
放課後の子どもたちは離れている
わずか一瞬だけ
雀が肩に触れる
唯一のあいさつ
暗くなり始める頃
また明日ねと
子どもたちが別れてゆく
ベンチもまた
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