アンパールルーム/黒川排除 (oldsoup)
この街を見上げるいつかを歩いている
夕焼けを毛布に焼き付けて夜の火
ハンカチ横切る誰かの頭上を傘で愛す
全ての弦こともなげに切れ黒い目のヴァイオリニスト
星雲を気配として佇む地蔵
葉に杭打つ森の完成少しずつ
丑三つ時に塔がしばらく立っている
影の頭部濡らすための室内灯
食材はパン粉舞い上がる銃撃の末
意味にない花の言葉の駅に着く
あしとかけむりとか見る上から
貯水池に錆びているかもせりだす胸
ぞっとすると月が懸かって見える外
野晒しの服折り返すランナー来て
澄んだ空に誓ってわたしは白い花
田の中のあかるい土をつぶる
老いたるものすりつぶしわかばのにおいさす
涙浮く檻に逆さのビン吊るす
連鎖する夜に積み木してぐらつく足
柿食うまでもなく坊主は坊主
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