またたく夜の漸近線/
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音が駆け抜けていきます
ほんとうは止められるようなことを
わたしたちはすすんで続けていたのです
湖でせわしく溺れていたアリが今動くのをやめて
柔らかくて優しい水に撫でられています
穴の空いた葉の向こう側に見える大きな夜
半分を半分に
それをまた半分に
千切り続けた夜はもう小さくなって
それでもまだ半分に
とろり、千切られた夜が撒き散らされた上で
口笛の形の唇がたどり着きます
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