煎茶をすすろう/山崎 風雅
 
 
 全能でないが故のモザイク生活
 喜びと哀しみが交互に訪れる

 ここまで歩いてきた道
 それは誇り
 それは恥

 つじつまを合わせながら
 裏通りでつまずいたり
 表通りで恋に落ちたり

 すまなかった
 それは人間であるしるし
 間違いを犯さず歩いて行こうなんて
 虫がよすぎた

 街の夜はイルミネーションで彩られ
 賑やかに人は笑顔で通り過ぎていく

 しかし、それは断片で
 一人部屋で苦しむ友人がいる
 暗い部屋で人の話も歪んで聞こえて
 闇の中に埋没していく

 俺は全能ではない
 助けるにしても限界がある

 街はイルミネー
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