きらら/構造
 
雨のけむりがからだをぬらし
その刹那の一滴一瞬
服の埃が舞い上がり
微細な雲母のわずかな浮上と
急激な沈下がおこる

ひとつひとつの粒子たちは
街灯のかがやき
店の明かりをすいとり
それでも多量の粒子が
たたきつけるものだから
あそんでいるかのように
何度もなんどもくりかえす

これら結晶のたぐいの
物理現象としての振動にすぎぬ
感情構成は
人やけものと違っているから

東高円寺の駅前で
なかまと数千頭身以上もはなれた
孤独のさなかに笑みをうかべ
ただへばりつくだけの機会を
千年の恋人のように待ち

みちゆく車の音波振動で
分解してゆくわが身をた
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