真夜中に待つ/ウデラコウ
悪夢に魘され 目を覚ます
暗闇に 君をさがしても 見つかるわけもなくて
僕はイヤな汗を背中に残したまま 少しだけ熱い額に 手を翳すのだ
泣かないで。どうか。僕の愛で 君の身体はもう守られたから。
君がくれた その言葉が 波立ち怯える 僕の心を
落ち着かせる唯一の安定剤
声が聞きたいんだ。
喧騒の中で 僅かに交わした機械越しの 笑い声より
もっと もっと 直接的に
君が見えなくて。 存在だけ感じて。 暗闇の中。
僕は静かに息を潜めて 僕を追いかける全てに 気付かれないように
ただ君を 待つ。
動けなくて 立ちすくんで
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