河/
肉食のすずめ
線まで続く水鏡は
日照り続きの三月を
白亜の岸に
溢れかえらせた
大きな
大きな
光の中
時折
蝿が犬の脳に停まり
その度
少し痙攣して涙を流す
犬は少し死んでいた
少しずつ死んで
私の隣に
いた
私は
前髪を少しあげ
左耳に少し触れて
少し
鼻水を流した
犬が光っている
私が光っている
ほんの
少しだけど
光っている
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