越えた涯に/印刷屋
嘔吐感はしる
千里の
おやすみなさい
矢の雨の
尖った星の角
小さい女
納屋
トタン屋根
洋館
紫陽花咲き乱れ
鶴降り立ち
彼岸花の雌蘂
メトロポリス
マルクーゼ
シャトル外交
蜘蛛の糸を伝い
竹薮を背に
真っ赤な写真
公正、環境、大転換
すっ転がって
美味礼賛
定型外郵便の
芯まで冷えて
立ち尽くす砂浜、ふたり
まわりまわって
木下某
起きたら晴れで
水曜日の倶楽部
ハレー彗星
経済原論講義の日
窓の外には
懸垂男
酒盃の月に
行馬は読めぬ
止めえぬまでも
追いゆく柱
仏蘭西国は巴里の都のど真ん中
蝗は西へ
叔母は汽車に乗る
緑うすく灰みが勝って
城門の老婆
地震に埋まる
さりとてサンダル
駆ける野を駆ける
小さき鳥の形して
日がな一日、元気の子
こればかり書こうと
アイロンを失って
アイロンを失って
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