春色/
霜天
今にも
空へ溢れていきそうな桜の花弁や
空へ昇っていくような雪柳の白さに
そろそろと背伸びをしながら
私も溢れていきそうな
春 です
南向きの坂道を
とんとんとん と降りていけば
小さな公園 錆びたブランコ
寄り添って立つ
春色です
風が吹いてはきいきいと
頭の上ではさわさわと
通り過ぎてくそんな言葉は
懐かしさもある
春 です
とうとうと流れる言葉の端を
ひとつふたつ摘み上げ
繋ぎ合わせてみたくなる
染み込んでいく
春色です
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