街路灯/松本 卓也
 
足元を照らす灯り
散乱する景色の残骸
踏み潰した枯葉の
乾いた音が心地良い

立ち止まる影
通り過ぎる車列
目を合わす事もない

エンジン
溜息と心音
クラクション
割れる枯葉

帳と黄昏の狭間で
主張する自己を失う星が
ひとつひとつ
瞬いては消えた

費やした意味と回答
隠した本音が壊れていく
一つは群集に紛れながら
一つは時を食い潰しながら

今の瞬間が無駄じゃないなんて
気休めに過ぎないのは分っている
ただ眺めていたいだけ

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