内緒にしておいておくれ/山崎 風雅
 
 うたかた人のように
 訪れては去っていく日々
 目にするものも少しづつ移り行き
 いつのまにか俺は
 こんなところで居眠りをこいてた
 
 感情の動物の人間に理屈なんて通用しない
 あるのは欲と見栄と世間体
 あるいは
 優越感、劣等感

 人それぞれに違う色のレンズをはめた眼鏡をかけて
 行き交う人を見る
 友達を見る
 家族を見る
 恋人を見る

 もはやチューナーのイカれた脳髄に
 洪水のような情報が垂れ流がされ
 俺はまともに見れなくて
 まともに聞けなくて
 目を背けて
 耳を塞いで
 ただ自分の姿
 愛しいお前の姿しか追わない
 自分
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