別つ日/明日殻笑子
 
太陽がしずむときの

空と海が融けてく境界線を

あたしはきっと知ることはない

美しさ

で胸をしめつけられるなら

それできっといいのじゃないか



世界の黒を思いしることで

自身の白がかがやくこともある

ときおりどちらかにどちらかをこぼして

不穏な色でありつづけることも

愛そうと思う

けして綺麗とはいえない事でも



幾千の

夜と

朝と

うす暗かったまどろみを

越えて今ここに

いるということだけで

救われる気がする

美しさ

で胸がしめつけられては

感情が融けてはらはらと流れおちていく



無限に広がっているようにみえるこの

明るくもない

寂しくもない

曖昧な世界の

向こうにあるものを

あたしはきっと知ることはない

行く先の曇天でさえ

愛そうと思う

けして綺麗とはいえない事でも




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