発熱の夜/
月夜野
ブラインドの隙間を
汗を滲ませて
這いのぼる月
窓辺の寝台の上
金の花粉に背中を灼かれて
うねる肢体
発熱の夜に 燃え落ちる
夢のきざはし
記憶の底で 沸騰する
銀の水差し
天井に群がる
蝶の羽音を耳に
眠りに落ちた夜
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