回転ドアの恐怖/白糸雅樹
 
足を引きずって他の人のテンポで歩けなくなる私は、どう対応していいか戸惑った。怒りを感じた。

 自動回転ドアはどんどん普及した。特に、病院に。

 ということは、お年寄りやこども、障害者からの抗議はないのだろう、他の方式のドアより便利なのだろう、と無理やり自分を納得させてきた。

 そうしたら、やはり。死者が出た。

 ひたすら回っていくドアは、愛情がない。

 重たくて開けづらいドアは、ちょっと立ち止まって後の人を待つ配慮を要求されてたのに。


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