川の底に置かれた石/
服部 剛
(ひもを結んで投げ放たれる鎌は
一体誰の心に刺さるだろう )
今朝
僕は不快な目覚めのベッドを降りて
君の言葉を聞く為に
新宿の地下道を抜けて来た
人波の川の流れる真中に
喪服を着た絶望が膝を抱え、うつむいていた
ふいに 置かれていた丸石を蹴飛ばした
黒いつま先が なぜか 心に 痛かった
Boy
もうすぐ僕は
地上への階段を上り
ビルよりも遥かに高い秋空を吸い込み
懐かしい陽射しを浴びるように
君の唄声を
探しに行くところだ
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