待ち人/肉食のすずめ
しら
薄着の彼女は答える
確かに
つと
月光がさした
海面の温度も高いらしく
ところどころから
陽炎がたっている
おそらく
泡の源のどこかにいるのだ
でも
海はもう
人が入れる温度じゃない
それでもいいじゃあないか
私は心の中で叫ぶ
でも
もう帰ってこないかもしれない
る
彼女が震えた
きっと
寒いのだろう
ずっと
座りつづけているから
砂浜は
日陰のスチールのようだから
彼女に
そう思って
胸に手を当てたら
気がついた
あの時間
あの部屋に
ジャンパーを
置き忘れてきた事を
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