夜のまぶしさ/木立 悟
 



ひかりとひかり
あしおとといき
たどりつく波
ひらく手のひら


水に溶けぬ火
沈みつもり
水面に映る
底に棲む泡


ひとりきりで
かがやきを増し
いつか冷えて
ねむるものの家


雨とともに
熱は降り
外を見るもの
窓にゆらめく


かけあがれけだもの
やわらかな屋根
隠された月
羽つもる屋根


燃えるもの 燃えぬもの
どちらを見つけたかったのだろうか
火は放たれ
どちらも燃えてしまった


無い街 ある街
たがいちがいにつづく地の色
家の灯り 道の灯り
雨のなかを遠去かる傘


ひかりといのり
歩くものの背
子らは馳せる
夜のまぶしさ














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