あざ/tonpekep
 
文章が
飛行してゆく
文章が飛行した後を見上げる
たなびく理の跡

ボーイングの羽の撓みのような
少しきょうふ感のある
右上がりの字を気にしながら
ぼくは帽子を深々と被り直す

いつか離陸し
いつか着陸し続けた
入り口も出口も
透きとおった書音がした

それはぼく自身の
一方通行だったようにも思う
ずっと夢という字を書き続けていたような気もする
それがぼくの時刻だった気もする
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