夜の陰画/アハウ
 
闇の透き通り始めた陰画は
宵宮の日の真夜中に
電信柱に貼り付けられた

霊視と解析の挙句の果て
夜は腑分けされ保存され

果てしない陰画の夜は
たるんだ夜空に掲げられ
黒い光に たなびいた

夜の陰画が掲げられた
路地の掲示板に気配が漂う

野獣が鼻を利かせ にじり寄る
どす黒い欲望の有機体のゆがみ
そして獣のさがは分泌物に溺れる
酩酊のよどみに喘ぎつつ
陰画に邪視を乱射する
 
誰として 歓声を上げるでも無く
暗い路地の掲示板の前を通り過ぎる 

その冷たい足音 夜を目覚めさす
彼らの蹴る舗装道路の下から

白光の天使たち 生成し
夜の陰画を祝福する

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