くしゃみ/________
電線が星をつなぐと星座になる
ふたつ目の鉄塔で 誰かと誰かのためいきがぶつかる
そんな夜に
鳩をふうとふくらまして、きっぱりと目を閉じた
丸いテーブルをなぞる
角を探す
朝が来るまで
ホットミルクの海で溺れ
生き急ぐ、湯気はこの星でその一生を折り畳む
そんな夜に
わたしも君もまだ生きている
呼吸に混ぜてきもちを吹くと
君の髪 かすかにふるえ
ミルクを注いだ深皿のような
冷たい月の光に憧れていて
それなのに、
それでいて、
幸せと笑っていた
あるはずがないと分かっていても
探してしまう
銀色の鳩が飛び去ると木々の枝がくしゃみする
電線から逃れた星たちが 雨になってふりはじめる
そんな夜に
わたし、君を想っていると
言いたくなって
息をする
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