黄金の馬/yukimura
薄すぎたミルクティーを飲みながら
なんとなく夕陽を眺めていた僕は
辛うじて今日の生存を終えつつ
生温い部屋で過ごしていた
静寂はテーブルの肩に寄りかかり
世界を停止させようと 息を潜めているけれど
その間も
時は黄金の馬のようにいなないて
アスファルトが蹄を弾き
そのまま昨日へと走り去る
その鳴声に耳を澄ましたのは誰か
過ぎ行く時の暴戻の姿態に
美しくも悲しい筋肉の躍動に
魂を刺すような鋭い眼差しを送らなければならなかったのは
僕らは生きるために選択肢を無くし
ただ見つめざるを得なかったはずだ
僕らがそれに殺される様を
突然、空が現れて 軍隊のような足音と
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