思春期の門/結城 森士
 
けを求めた
無言、無感情、そして忘却の波が全てを消し去ろうとする
暴走した無の感情から逃れることは出来たが
何故自分はこんなどん底まで墜ちてしまったのか
再び悩み続ける日々が続いた
そしてある日
自分は大きな人間になりたくて
この道を選んだ事を思い出した
人の心を安心させたり
楽しませたり
守ること

その日からずっと
子供を捜している
僕の中の子供

時折甦る感情の中にその子はいる
「君は幸せ?僕は、幸せ。」

(透明な門の内側の何も無い空間に
 暖かいたんぽぽが咲いたように)

門を抜けたら
赤い花畑へ行こう
そして、透明な水を撒き散らすんだ
明るい太陽の下で
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