「 輝いて 」/椎名
目が覚めたら春だった
カーテンを開けるとまぶしいひかり
まるで全てが輝いているかのよう
桜が喜んでいる
輝いている
おもいきり伸びをしている
桜だけじゃない
まだ残っている梅だって
空高く手を伸ばしている
こぶしだって
雨に打たれて
すっかりしょぼくれちゃった木蓮だって
みんなみんな
顔を輝かせて喜んでいる
間違いじゃなかった
春だった
咲いていいんだよね
そんな声が聞こえてきそう
冷たい雨が続いて
すっかり空気も冷え切って
まるで冬のような寒さだったから
もう一度コートを出して
背中を丸めていた
今日は
ほら
もうすっかり春
きっと全てが良くなる
だって
地球がこんなに明るい
「明日」だって
きっと輝きだすだろう
胸をはって歩こうね
木々や花や空が
そう言ってるみたい
今度こそ
本当に春だもの
戻る 編 削 Point(2)