四次元のリコ/atsuchan69
さらさらと、枯れ落ちた葉が
校庭を這う風に追われ
やがて空へと逃げてゆく放課後
音楽室のピアノはショパンを奏で
窓からのかよわい陽射しと
僕を汚す、黒板のひどい落書き
鞄を逆さにすれば、
たちまち机のまわりに
落ちた画鋲が散らばる
誰もいない教室に
君は影のようにやって来て言った、
「こんにちわ
逢うのはじめてね、
私、もうすぐ転校するの
今度逢えるのは、
ずっと先。未来だわ――
少しばかり気取った店の
奥まった場所に眼をやると
大理石のカウンターテーブルの隅に
豪華に飾られたフラワーアレンジメント
その傍らに
洒落た
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