師走の具沢山汁/あおば
 

美しい野原に薔薇の花が咲いて、緑の風が吹いている景色を思い出している、あなたは酷い人だと、少年は異議を申し立てをするのだが、義理ある人たちが周囲を取り囲んで、鬼の姿を見えないようにしてその場を取り繕うので、急行電車は、3分遅れただけで新宿駅に着いた。誰も文句を言わないから、西口から地上に出た、冷たい風が吹いていて、そろそろ師走だと教えてくれた。人通りの多い通路では遠慮する人たちも大勢居て、新発売の具沢山汁を遠目で眺めて、駆け足で通り過ぎていく。買う人は、遠慮しない人たちで、近所のコンビニで、ゲットするんだと思った。
戻る   Point(4)