クラヴィ ヴィエイヤール/もも うさぎ
るくらい 大きかった
そして その箱に クラヴィは 弦をはっていった
一本一本 箱に 弦を はる
それはとてつもなく 息の長い作業で
春は過ぎ 夏を越えて 秋がまたきた
彼は 目からしずくをもう こぼさなかった
彼は ただ弦をはることだけに 意識を集中した
小屋は荒れ果てて きのこシチューはもう作られることなく
彼がもう狩をしなくなったことを悟ったうさぎたちは
彼のまわりで はねて遊んだ
彼はただ 弦を はりつづけた
こうして満足いくまで弦をはってしまうと
今度は木の欠片をたくさ
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