クラヴィ ヴィエイヤール/もも うさぎ
彼はその子を育てた 彼と同じように 小さな女の子だった
彼はその子を クララと 名づけた
クラヴィはクララと一緒に暮らした
クララはすくすくと育った
森の泉も 木蔭も 雨に映える光の粒も
すべてがクララを育てた
クララはそうして 大きくなった
なったところでそう大きくはなかったのだけど
それはそれは 小さな小屋で
ことこと煮込んだ うさぎシチューを食べながら
彼らは静かに時を過ごし
(彼らは一言も口をきかなかった 言語を知らなかったから)
(歌は歌ったけれど)
そうして
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