クラヴィ ヴィエイヤール/もも うさぎ
 

彼はその子を育てた 彼と同じように 小さな女の子だった


彼はその子を クララと 名づけた




クラヴィはクララと一緒に暮らした

クララはすくすくと育った


森の泉も 木蔭も 雨に映える光の粒も

すべてがクララを育てた

クララはそうして 大きくなった

 なったところでそう大きくはなかったのだけど



それはそれは 小さな小屋で

ことこと煮込んだ うさぎシチューを食べながら
彼らは静かに時を過ごし

(彼らは一言も口をきかなかった 言語を知らなかったから)

(歌は歌ったけれど)



そうして 



[次のページ]
戻る   Point(58)