クラヴィ ヴィエイヤール/もも うさぎ
{引用=
クラヴィ・ヴィエイヤールは小さかった
どのくらい小さいかというと あなたのまぁ 半分くらいで
俗に 小人と呼ばれる 種類の人間だったのかもしれなかった
けれど
本人は そんなことは知らなかった
クラヴィ・ヴィエイヤールは小さかった
彼はたった一人 森で 暮らしていた
母親の記憶は かすかにあったのかもしれないが
彼にとってそれは さほど重要ではなかった
幼い頃に 森へ 置き去りにされた彼は
森の息吹や 風を受けて 大きくなった
なったところで 小さかったのだけれど
クラヴィ・ヴィエイヤール
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