いつかギラギラしなくなる日/虹村 凌
あなたはいつも優しい眼で見ているのに
今日は何だかギラギラしているわ
帰って頂戴
と
鼓膜を突き破り脳味噌に突き立てられた言葉と
眼球を破り矢張り脳味噌に突き立てられたお前の後姿
湿気た煙草をふかして歩くこの姿はまるで
炎天下を転げ回るヨモギみたいに
街から街へ駅から駅へ
弾かれていく
水が欲しい
ミルクに氷を入れる女だった
乾燥しきった唇で愛を囁いて
舌なめずり
頭の中は君の乳首を甘く食む事で一杯で
唇は更に乾燥していく
まるで砂漠に毒々しく照りつける憎々しい太陽
眼の奥では君は既に全裸なんだぜ
それは一瞬で噛み砕かれた
遮光カーテンの隙
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