詩化粧/umineko
方で、ライブこそ真実と、そんな声をぼんやりと聞く。それなら、リアルにも勝てる。だけどそれは一瞬だ。分けあえない。定型を持たないことばの弱味。
私は。軽く紅をひく。
こうあって欲しい私のために。
私は詩を提示する。何人かの人に、それは届く。時には軽く、時には忘れ。
誰かに促されて私は生きているのではないよ。
否定も絶望もない世界。
私は。不格好でツヤのにじんだ林檎が好きだ。それをセーターのすそでちょっと磨いて、あなたに、差し出す。
そうやって。あなたを試している。
あなたは今。幸せですか。
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