思い出作り/山崎 風雅
 
 忘れさられた涙は
 どこに流れていくのだろう
 
 きっと大海原まで降りて行き
 太陽の日差しに誘われて
 多くの仲間を引き連れて
 天空に昇り
 悲しい調べを奏でつつ
 俺達の住んでる大地に
 降り注ぐのだろう

 報われることのなかった哀しみは
 静かに俺達の心に染み入る
 なんだか憂鬱な時っていうのは
 そういう訳なんだと思うんだ

 傲慢なことや
 欲望丸出しの夢をみるのは止めにしないか?
 
 見苦しいし
 こっちまで息がつまる

 流れるだけ
 それだけでいいじゃないか

 可憐な草花のように
 自然に生きさえすればいい

 
 運命なんて
 人生なんて
 思い出作りだと思えばいい




 
 
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