竜巻/atsuchan69
 
     干瓢もなく、
    胡瓜も
   ピンク色した田麩も
     高野豆腐もないままに
    風は吹き

    サラダ巻きでも、
     納豆巻きでも、
      鉄火巻きでもない
     風が
   砂塵を巻上げて昇る

寿司屋がまるごと一軒
 宙を とぶ

     のれんを潜ると、
    愛犬トトを抱いた ドロシー
     そして
      ライオンと
     案山子と
    ブリキの木こりが
     寿司をつまみ、
    いなくなったオズの魔法使いを
   ネタに日本酒を呑み交わしている

    そうじゃ
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