眠れない夜、虹色の夢に支配される/結城 森士
、見ているだけの)
窓の外には意味も無く僕の影が佇んでいるので(・・・窓を開けるんだ)「おい。」
勢いよく硝子を割ろう。
直線状に傷付けられる音を立てて
鋭い破片が(赤い風船が窓の外へ
逃げていってしまった)―――――何処に―――――・・・・・・僕は何処に
(消える、消える、不安定な空へ、)赤い風船が揺れながら闇の中へ吸い込まれて消えてしまう、何処にいる、何処にいった・・・・誰かが耳元でそう呟いてる、ずっと。
虹色の小鳥が闇の中の広葉樹にとまっていて、平面的な月の夜の向こうへ飛び立つ時、
僕はもう一つの赤い夢が弾けて
きっともう眠ってしまった。
(窓の外から見ている)もう一人の僕は笑い続けていたのだ、ずっと。
何処に何処に何処に何処に、行った・・・・・・・・・
戻る 編 削 Point(3)