神様の仕事/ごまたれ
 
「ここじゃあ 夢は釣れないか」

神様はそう呟いて
雲の上をのそのそと移動した

人間界に落とした釣り糸には
申し訳ない程度の『希望』が
ぶらさがっている

神様は眠そうな目をこすりながら
大きなあくびをした

垂らした糸を見下ろせば
穏やかな春風に揺られている
そのとき糸が
ぴんっと何かに引っ張られた

「釣れた釣れた  夢が釣れた」

あわてて竿を握り締める神様

「これだから この仕事はやめられん」と
にかっと笑った
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