てのひら/
mayaco
それは好奇心に近かった
手放した風船は
その場で浮いていた
固く握りしめ続けていたてのひら
ゆっくり開いてみる
冷たい空気が渦を巻き
静かな呼吸が始まった
それでも好奇心に近かった
何かに気づいた風船は
その場で不思議な顔をした
自由になったてのひらは
何をしたらいいのか分からない
仕方がないので振ってみた
その瞬間風船は消えていた
もう一度てのひらを見てみたい
それは好奇心に近かった
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