夏の遺書/有邑空玖
 


青い硝子
浮かぶ絶望
夏の
向日葵
白い
白い光



僕が仰ぐ
黄色い花弁
風 揺れて
遠い記憶



鳥の
白い

千切れた
白い




どうせ最期は
ひとりだから と
君は
僕の手を
振り解く



揺れて……




夕暮れ
打ち水
焼けたアスファルト
雨上がりの
匂いに
似ている



どうしていつも黙ったままで、目を逸らすのが得意なの。



答えのない 夜



退屈退屈退屈
退屈ばかりが
哀しさじゃない
知っている
はずさ
問いかけはいつも
白く
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