会社員の憂鬱/狩心
 
胸を張る事も忘れた乱れた姿勢で 淫らな写真ばかりで胸の谷間
ビルの谷間を吹く風に 乱れる髪が全て抜け落ちてしまえこの野郎 一件も契約が取れず
肩を落として 公園のベンチに座る 夕日が沈みかけている時に 彼女から電話
「ケンちゃん何してるの?」 「落ち込んでるの」

腕時計で時間をチェック 雲の流れで俺の本能をチェック 本社に電話を一本入れて
本日も晴天なり あっぱれ 殿様バッタ ふざけやがって 小石を蹴ろうとして空振り
帰宅途中 ふらり立ち寄った本屋で立ち読み 漫画を刹那読み 彼女から電話
「ケンちゃん何してるの?」 「それは俺にも分からない」

意識が薄れていく 悟りには程遠
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