眠れない夜、虹色の小鳥/結城 森士
 

  勢いよく硝子を割ろう。


直線的な音を立てて
鋭い破片が
(赤い風船が窓の外へ
   逃げていってしまった)

(消える、消える、不安定な空へ、)赤い風船が吸い込まれて消える


虹色の小鳥が闇の中の広葉樹にとまっていて、平面的な月の夜の向こうへ飛び立つ時、
僕はもう一つの赤い夢が弾けて
          きっともう眠ってしまった。
                 (窓の外から見ている)もう一人の僕を残して。

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