眠れない夜、虹色の小鳥/結城 森士
 
白紙のような夜には

目を瞑れば金色の旋律が細い糸をゆったりと垂らして
      時を止めたようにさらさらと揺れているので(・・・落ちていく)虹色の部屋に
  ハンモックを掛けよう
天井を下に、僕も一緒に揺れているので、自然と体が空中に浮かび上がっていく(空に、落ちていくような、不透明な)夜の意識、・・・

(二重の僕は、いつもの様に)
          もう一人の自分が宙へ消えていくのを変わらない視線のままで見ている、輪郭のぼやけた赤い風船を見ている(いつだって、見ているだけの)
      窓の外には意味も無く僕の影が佇んでいるので(・・・窓を開けるんだ)「おい。」
 
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