夏/
奥津 強
それが どうと 言うものではない
酷く 躁鬱の 夏
私らの 紀元は とうに過ぎた
・・・夏
季節は 変わらない ただ 灯篭を持った
数人の 女が
そこで 止まる
一つの 輪
数人の 女の
今 見た 悪夢
夏
どうと 言っても 妙に 元旦のような
夏!
ああ 私の 頬を 打つ者がいる
夏!
あの 幼い頃 そこにいた 子の
頭蓋!
夏!
亡霊の 集まりに 閑散たる 区域での
夏・・・
どうというものではないが
私は 懐古の念に とらわれるのである
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