ロシータ/水在らあらあ
おれが寝付くまでそうしていてくれたんだろう
きっと
寝付いたあとも
俺にとって人生は不思議で
それはそれでよくて
いろんなことが説明できたら
それもそれでいいけど
俺はただ不思議なことが
不思議だと感じられればいい
ここでこうして船を作るなんて
ロシータにあんたは私の孫だって言われ
クリスティーナには息子だって言われて
船長にはしごかれて
海に落ちて
何度も落ちて
ロシータもクリスティーナも船長もみんな
あなたによろしくと言っていたよ
あなたにとって
人生はどうだったのだろう
俺がもう帰ってこないって分ったとき
あなたは
俺と兄貴が十歳ぐらい
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