駅/ささやま ひろ
 
るようになって一年と数ヶ月

僕は毎日少しずつ彼から勇気をもらってきた

言葉を交わすこともなかったし
僕に出来ることといえば
一緒になった日に
車内で彼が人波に呑まれないよう
ただ踏ん張ることだけだったけど


思い通りにならないカラダ

思い通りにならない心

誰もが現実を見つめて

ただ前だけを向いて



今日も彼は凛としていた



さまざまな人生を包み込む駅



喜びも

悲しみも

善意も

悪意も

期待も

後悔も



すべてが交差して



もうすぐ

この駅にも雪が舞う














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