迷宮/ヨルノテガム
木々の散乱と林の包囲、
森々の重なりが無法の伸縮をみせ
人の呼吸リズムを緊張域に鎮める
猛獣は居ない 不審者も、
訪問者は
こちらの方であり、上昇でない下降の道を沈み込む
その段差分は身をもって こちらが小さく細くなる
目線は覗き見になり光り、見上げる目開きは
急激な落伍に自身絶え得るかの時を
待ち、踏み、進む
悲劇の隣で 仲良く踊れる
さて、出し物は
手軽で横暴な 悲痛 でしか演じ及ばなかった
暗転の中、訪問者は
小鳥さえずる音響も聞こえず、
扉を叩くシーンから始まる第二幕を待たず、
自然の中にできる ほんの隙間に
身を投じ
空白の生け贄となった
それは、誰かの弾いた
音符と音符の間のような所です
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