青空を撃つ/
草野大悟
晩秋の青空に
黄金色の銀杏が舞う
どこまでも澄みきって
引き込まれそうな深淵
この時期
ぼくらは
いつも
ふたりで
深淵を見つめながら
露天風呂していた
のほほん
のほほん
もひとつ
のほほん
露天風呂は
ほくらを
じゅうぶんに溶かし
じゅうぶんにひとつにし
青空の怖ささえ忘れさせて
のっほほ〜ん状態に
解放してくれた
今日
ぼくは
ピストルを持ち出し
あの日の
青空を
撃った
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